デメリット

既存のIPv4と共存させる必要があることから、次のようなデメリットや課題が発生する。
IPv4と似たプロトコルではあるものの、互換性がないため、ルータの取替えや新しいソフトウェアの開発・導入などで追加投資を免れない。また、平行運用期間(IPv4が淘汰消滅するまで)は両方のプロトコルをサポートしなければならない。さらにはISPやホスティングサーバ業者、回線業者とのIPv6に対応した契約への変更も伴う。
そもそも、汎世界的なネットワークとなったインターネットが、遍くIPv6に移行するのかどうか、するとしてそれが何時になるのかは、(短期的には)全くの見通しが立っていない。これは、古い機材やOS、ファームの更改により徐々にIPv4/IPv6併存環境が広がっていくことである程度緩和されうる。IPv6は2010年現在では、まだクリティカルマスに至っていない。
IPv6のバックボーンはまだIPv4ほど充実していない。また、末端ユーザー/サイトのIPv6接続は、2011年4月時点ではほとんどの場合IPv4によるトンネリングである。そのため、IPv6で接続するとかえって通信性能が低下する場合が多い。また、IPv6での接続に失敗することもままあり、その場合IPv4にフォールバックすることになるが、最初からIPv4で接続していれば不要であったはずのタイムラグが生じてしまう。
前項とも関連するが、現状のIPv6ネットワークはトンネリングやDNSなどをIPv4に依存しているため、IPv6を導入しても管理の手間が増えこそすれ、耐障害性が増すわけではない(IPv4がダウンすればIPv6もダウンしてしまう)。
今後はIPv6メインとしてIPv4をトンネリングしたネット構成の増加が見込まれている。
アドレス空間が広いことと、MACアドレスによる自動設定のため、逆引きの管理が困難であり、逆引きを要求されるケースで困ることがある(逆引きできないホストからの接続を拒否するサーバなど)。
技術面や運用面でまだ不確定な要素が多い(サイトローカルアドレスの廃止、エニーキャストアドレスの見直しとDHCPv6の再検討、逆引きの問題など)。

IPv4でもイケてる情報

IPv4では、NATやIPマスカレードの必要性から中継機を介して間接的にインターネットと接続した結果、「インターネット側から具体的なホストが見えない」という点(= 匿名性)がセキュリティおよびプライバシー上都合が良い場合も多い。IPv6において後述のEUI-64で生成したアドレスを静的に割り当てる場合にはユーザの追跡が可能になるなど特にプライバシーの面で問題が発生する。これに対処するためRFC 3041でPrivacy Extensions for Address Configuration in IPv6が定められ、Windows XP等がこれをサポートしている。
ユーザーのインターネットプロトコルに対する認識度が低く、IPv6に移行するメリットが見出だしにくい。しかしマーケティング手法の観点からは、エンドユーザーが選択するのは、内部プロトコルではなくエンドサービスであり、内部プロトコルの相違をエンドユーザーに訴求する必要性は低い。
ただ、冒頭に記したように2011年4月に日本でのIPv4アドレスの在庫が払底したこともあり、サーバやVPN開設など何らかの理由で固定IPアドレスを必要とする場合、今後はISPやホスティング業者の保有するアドレス空間の使用状況にもよるが、いずれにせよIPv6でのIPアドレスの取得を検討せざるを得なくなる可能性が大きい。

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