IPv6をビジネスに活用する、企業ネットワークをIPv6に移行する、そんなあなたのためのIPv6情報サイト【ビジネスonV6】

技術講座

技術講座は、入門編・実践編の二つに分けた連載でお送りします。
入門編では関連技術のご紹介、そして実践編では具体的な活用事例や導入プロジェクトを通して得たノウハウなどをご紹介していきます。

IPv6の概要と特長

入門編第1回の今回は、IPv6(Internet Protocol Version 6)の概要と特長についてご紹介します。
IPv6登場の背景、およびIPv4との違いに重点を置いた視点からその特長についてを簡潔にまとめました。

1.背景 | 2.概要 | 3.特長 ( アドレス空間 | P2P(Peer to Peer) | マルチキャスト | プラグアンドプレイの実現 | セキュリティ機能 | モビリティ ) | 4.まとめ

背景

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 IPv6は、次世代のIPプロトコルであり、インターネット技術の根幹に位置するものと言えます。そもそも、インターネットの歴史は浅く、インターネット技術の研究開発は、45年前の1960年代にアメリカの国防総省の研究プロジェクトとして始まりました。現在広く使われているIPプロトコルであるIPv4がIETFによって標準化されたのは、1981年のことです。
インターネットは、その歴史の中で過去に

  • 第1の波:TCP/IP技術の導入によるClosed Open Networkのグローバル接続
  • 第2の波:Webブラウザ技術の導入による利用者の一般化
  • 第3の波:セキュリティ機能の導入と信頼性の向上によるE-Commerce化

の3つの波を経験しています。そして、IPv6は、ブロードバンド環境、ユビキタス環境とともに、次の第4の大きな波と期待されているのです。

国別IPv6アドレス割り振りの推移
< 国別IPv6アドレス割り振りの推移 >(JPNICデータを基にインテック・ネットコアが作成)

概要

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 IPv6は、現在広く使われているIPv4の後継として開発された次世代のIPプロトコルであり、インターネットバックボーンや大学を中心に研究や実験が行われてきました。1996年、IPv6専用の実験ネットワークとして、IETFが6boneを構築し、同年、日本においてもWIDEにより6bone-jpが立ち上がりました。しかし、6boneは2006年6月にフェードアウトすることが発表されており、実験フェーズから実践フェーズへの一つの象徴的な動きの一つと取ることができると思われます。日本国内のほとんどのISPにおいても、既にIPv6の商用サービスを行っており、大手ベンダー製品もその多くがIPv6に対応済みです。
 ただし、IPv4があまりに急激に広がり、その変更には多大な影響が予想されるため、IPv4からIPv6への移行が一気に進むとは考えられません。また、そのためにもIPv6はIPv4との相互運用ができるように設計されており、自然な移行が可能であるため、まずはIPv6-IPv4の並行利用を経て、徐々に移行が進む形になると予想されます。

特長

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 開発から20年以上経ったIPv4には、さまざまな不具合や制約が表面化しています。それらを改善して登場したIPv6の大きな特長としては以下が挙げられます。

  • 128bitのアドレス空間
  • P2P通信
  • マルチキャストの標準化
  • プラグアンドプレイの実現
  • セキュリティ機能
  • モビリティ機能

アドレス空間

 IPv6の特長の中でも特筆すべきはその広大なアドレス空間です。IPv6はIPアドレス幅を128bitに拡張しており、2の128乗ものアドレス空間を持ちます。

IPv6ヘッダフォーマット
< IPv6ヘッダフォーマット >

 IPv6がなぜ必要か、という問いに対する答えとして、当初はIPv4アドレスの枯渇問題が真っ先に上げられていましたが、2004年までは余剰アドレスの返還やNATやCIDRの導入などにより、IPアドレスの枯渇化は予想よりも回避できることになってきたと言われていました。よって、IPv6の必然性とは、IPv4ではできなかったけれどIPv6ではできることや広大なアドレス空間そのものの魅力へとシフトしたとされてきたのですが、2005年に入り、再びIPv4アドレスの枯渇問題が再燃してきたのです。早ければ2010年頃には足らなくなる可能性があるそうです。主な理由としては、IPv4アドレスの配布ルールが甘くなってきたこと、そしてCATVなどがグローバルアドレスを配布し始めていることなどが挙げられます。
 いずれにせよ、IPv6のニーズは高まってきていると言えるのではないでしょうか。

P2P(peer to peer)

 IPv6ならではの活用方法として注目されているものの一つにP2Pがあります。IPv6は、コンピュータだけでなく、家電製品や自動車等にもIPアドレスを与えるユビキタス環境を考慮して仕様が作成されています。そのため、サーバを介さないチャットやIP電話などのリアルタイム通信やグリッドコンピューティング等の、全ての端末にグローバルアドレスが必要なP2P通信環境にはIPv6は非常に有効であると考えられます。

マルチキャスト

 IPv6の通信の種類には、

の三つがありますが、特に、IPv4では標準ではなかったマルチキャストを標準技術として定義した点が大きな特徴と言えます。ブロードキャストを廃止し、同様の仕様はマルチキャストの中の一つのサービスとして盛り込まれました。

プラグアンドプレイの実現

 IPv6では、自動IPアドレスのコンフィグレーションが可能で、上位64bitのネットワークアドレスを自動で作り上げることができます。また、下位64bitのインターフェースアドレスは、MACアドレスで構成されることにより、IPアドレスを自動設定することが可能となっています。この仕組みにより、ホストはケーブルを挿すだけで自動的にコンフィグレーションを完了し、プラグアンドプレイを実現することができるのです。

セキュリティ機能

 IPv6では、IPプロトコルレベルでパケットの暗号化/復号化機能(IPsec)を備えています。IPsecのサポートを前提とし、標準機能として規格化しており、全ての端末に実装すればエンド・ツー・エンドのセキュアな通信を実現することが可能で、よりスムーズに暗号化/復号化機能を利用できるようになると期待されています。ただ、計算負荷や管理負荷が増えるなどの弊害も考えられるため、用途によっては実際に使用するかどうかは端末側に依存します。

モビリティ

 たとえばIP携帯電話を使って歩きながら電話をする場合、接続しているIPネットワークセグメントは場所の移動に伴い、IPネットワークセグメントも移動せざるを得ません。そして、セグメントの変更ごとにIPアドレス等の変更が発生し、そのたびに通信が切れる可能性があるのです。それでは携帯電話としては機能不十分です。この問題を解決するのがMobile IPv6なのです。
 IPv6は当初からモビリティ機能を持つことが想定されており、Mobile IPv6にも経路最適化の仕組みが標準で実装されています。Mobile IPは、その位置と無関係に一貫したIP通信を実行できるようにするための技術であり、たとえばIPネットワークで携帯電話を実現するには不可欠です。Mobile IPv6はIPv6上でモビリティを実現するプロトコルなのです。つまり、接続リンクが変更になっても、Mobile IPv6を使うことにより、同一アドレスでノードを参照でき、進行中の通信をそのまま維持することができます。

まとめ

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 通信の歴史に類を見ないIPv4インターネットの驚異的な普及は現在も続いていますが、その中でIPv6は、将来のインターネットの世界を変える可能性があると言われている次世代IPプロトコルです。その膨大なアドレス空間による可能性、そしてIPv6ならではの実現性に大きな期待が集まっていると言えるでしょう。

次回予告

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入門編第1回は、「IPv6の概要と特長」についてご紹介しました。次回はIPv6仕様の基本である「アドレス構造」についてです。

 
技術講座バックナンバー
Vol.1 IPv6の概要と特長
Vol.2 IPv6アドレス仕様
Vol.3 IPv6ネットワーク
Vol.4 IPv6マルチキャスト
Vol.5 マルチプレフィックスについて

用語辞典
 

ユニキャスト
ある特定のインターフェイスに割り当てられる識別子。

エニーキャスト
インターフェイスの集合に割り当てられるIPv6アドレス。

マルチキャスト
インターフェイスの集合を示す識別子。

 
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質問箱
 

Q:IPv6を使うことにどんなメリットがありますか?

A:IPv6のメリットは大きく分けて「無限に近いアドレス量」、「Better IPとしての意味」、「NATがないフラットなネットワークの実現」の3つになります。

 
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