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技術講座は、入門編・実践編の二つに分けた連載でお送りします。
入門編では関連技術のご紹介、そして実践編では具体的な活用事例や導入プロジェクトを通して得たノウハウなどをご紹介していきます。 |
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今回は、IPv6マルチキャストについてお送りします。IPv4でもマルチキャスト通信は使われており、マルチキャスト自体はそれほど目新しい技術ではありません。 IPv6のマルチキャストはIPv4のマルチキャストに比べてどんな利点があるのか、そしてIPv6マルチキャストを実現する主な技術要素、活用事例も具体的に挙げて説明します。
1.マルチキャストとは | 2.IPv6マルチキャスト ( マルチキャストグループ管理 | マルチキャストルーティング制御 ) | 3.IPv6マルチキャスト技術の利用拡大 ( 塾の遠隔授業 | 地震速報 | コンビニ店舗への一括配信 ) | 4.最新動向・まとめ
マルチキャストとは、決められた複数のネットワークノードに対して同時にパケットを送信する「一対多」の通信技術です。複数の決められた相手に同じ内容の情報を送信したい場合に、送信者は一回送信するだけで済むので、ネットワークやサーバの負荷を抑えることができます。また、一度に複数の人に送信できるので、リアルタイム性にも優れていると言えます。このような、一回送信するだけで複数のノードにリアルタイムに情報を届けることができるという特長から、情報配信、特にパケットサイズの大きい映像配信への活用が期待されています。
ところで、送信者が指定する宛て先は誰のアドレスなのでしょうか。答えは、「マルチキャストアドレス」と呼ばれるグループアドレスです。送信者が一回そのグループアドレスに送信すれば、そのグループに参加登録しているノード全てにパケットを届けることができるのです。つまり、送信者は送り先それぞれのIPアドレスを知らなくとも、マルチキャスト通信は可能なのです。
それでは、マルチキャストのパケットはどのようにして受信者に届くのでしょうか。マルチキャスト通信であっても、パケットを受信者にまで送り届けるのはルータの役目です。ルータは送信者が送り出した一つのパケットをネットワークで分岐するたびに複製し、ルータ間をバケツリレーして受信者に手渡すのです。よって、送信者と受信者の間に広がるネットワーク内のルータは全てマルチキャストに対応している必要があります。

IPv4マルチキャストとIPv6マルチキャストは、両方とも「一対多」のマルチキャスト通信を実現する技術であり、その意味ではほとんど同じです。しかし、IPv4とIPv6に相互接続性がないため、マルチキャストもそれぞれ独立に動作し、アドレス体系はもちろん、各種プロトコルも異なります。また、マルチキャストはIPv4ではオプションという位置づけに留まったものでしたが、IPv6では基本仕様に積極的に採用されており、この点が最も大きな違いと言っていいでしょう。
【もっと知りたい!】
マルチキャスト通信においては、ルータ-ルータ間ではL3マルチキャスト、最終ルータから先はL2マルチキャスト、と二つの異なるレイヤが主役です。これはIPv4でもIPv6でも同じです。一般的なイーサネットでのL2マルチキャストは、単なるスイッチやハブではブロードキャストと同じになります。一方、後述するマルチキャストグループ管理プロトコルを理解するスイッチでは、マルチキャストパケットを選択的に複製することで、帯域などを節約することができます。 |
IPv6マルチキャストを実現するための要素は、大きく以下のようにまとめることができます。
・IPv6マルチキャストアドレス
・マルチキャスト対応ルータ
1)マルチキャストグループ管理
2)マルチキャストルーティング機能
マルチキャストアドレスは、前述のマルチキャストグループを特定するためのIPアドレスであり、上位8ビットが全て1のアドレス空間(FF00::/8)がそれに相当します。マルチキャストグループを識別するための情報(グループID)もこのアドレスに含まれます。(図2)また、マルチキャストに対応しているルータは特定多数の受信者に効率的にパケットを届けるため、適切なマルチキャスト配信ツリーを作成する仕組みを持っています。その仕組みがマルチキャストグループ管理とマルチキャストルーティング機能です。

マルチキャストアドレスについては、技術講座第2回で触れていますのでご参照ください。ここではマルチキャストグループ管理とマルチキャストルーティングについて説明します。

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